導入事例:GeForce RTX 5090 映像制作導入事例|フリーランス環境での制作効率向上

3ヶ月前、GeForce RTX 5090を導入。25歳CG映像クリエイターの制作環境が大きく変化しました。

倉島伶さん プロフィール写真
今回取材を受けていただいた倉島伶さん

「寝る前に溜めて一気に回すという暮らしをしています」

そう笑顔で語るのは、CG映像クリエイターの倉島伶さん(25歳)です。2025年「映像作家100人」にも選出された彼は、今年4月にフリーランスとして独立。そんな彼が制作環境の中核に選んだのが、GeForce RTX 5090でした。

倉島伶さんについて

2025年「映像作家100人」選出。CG映像クリエイター・映像ディレクターとして、ミュージックビデオや広告PV、ライブ映像演出を手がける。2025年4月にフリーランスとして独立。

会社員からフリーランスへ:制作環境の変化

倉島さんの制作環境

──まず、CG映像クリエイターとしてのお仕事内容について教えてください。

「映像のディレクターだとか、CGのジェネラリスト的なポジションでお仕事させていただいております。主にミュージックビデオだとか、広告系のPV、ライブの映像演出あたりでお仕事をしています」

──この分野に入られたきっかけは何だったのでしょうか?

「中高生あたりからボカロとかニコニコ動画あたりのシーンで、ボカロ系のミュージックビデオに影響を受けまして。高校終盤あたりからソフトを触ってMVみたいなものを作ってみようとしたり、その過程でCGも面白いなと思って表現に取り入れたいなと思って始めました」

大学は経済学部と、映像とは全く関係のない分野だった倉島さん。しかし、創作への情熱は止まることなく、大学途中でFlapper3という会社にご縁をいただき、プロの世界へ足を踏み入れることになります。

そして今年4月、フリーランスとして独立。ここで大きな課題となったのが、制作環境の再構築でした。

「制作の工程で一番時間がかかるのはレンダリングです。CGをやる上では、グラフィックスカードが直接的に作業効率に影響してきます」

会社員時代とフリーランスの違い

──会社員時代とフリーランスでは、制作環境がどのように変わったのでしょうか?

「会社員時代はRTX 4080とレンダーファームを使っていました。複数台での分散処理ができたので、重い処理も台数の力で対応できていたんです」

しかし、フリーランス環境では状況が大きく異なります。

「フリーランスでは、会社のようなレンダーファーム環境は現実的ではありません。1台で完結できる環境づくりが重要な課題でした」

具体的な制約について詳しく聞いてみました。

「一カット10秒、最大300フレームとして、複雑なエフェクトを含む場合は相当な処理時間が必要になります。また、レンダープレビューなどでVRAM容量が不足すると、作業効率が大きく下がってしまいます」

重いエフェクトを含む制作画面

「雲や爆発などは、CGでは特に重い処理になります。3、4年前のグラフィックスカードだと簡単にはレンダリングできません。特にフリーランスが調達できる機材レベルでは制約があったので、それをクリアできるレベルが欲しかったんです」

RTX 5090を選んだ理由

──RTX 5090導入を検討する際はどのような経緯だったのでしょうか?

「もともとRTX 5080を2台みたいなことを考えていたんですけども、周りから1台の方が良いと言われて、RTX 5090にしようと思いました」

ZOTAC GAMING GeForce RTX 5090 SOLID OC搭載マシン

──実際に単一GPUを選択した結果はいかがでしたか?

「レンダリングは会社のようにファームを組まなくても、1台で成立できるレベルになりました。フリーランスでもリッチなCG表現が現実的になったと感じています」

導入3ヶ月後の率直な評価

──導入から3ヶ月経った現在の率直な評価をお聞かせください。

「めちゃめちゃいいです。寝る前にレンダリングを仕掛けて、朝には完成しているという理想的なワークフローが実現できました」

──特に印象的だった改善点はありますか?

「レンダープレビューなどでVRAM都合で非効率だった部分が改善しました。32GBのVRAMがあることで、従来では制約となっていた重いエフェクトや高解像度素材の処理が可能になり、表現の幅が広がりました」

具体的な処理時間の変化について聞いてみると、興味深い話を聞くことができました。

──以前使われていたRTX 3070との処理時間の違いはいかがでしたか?

「今の3、4倍ぐらいですかね?VRAMが3070はすごく少ないので、内容によっては回せないみたいなのが結構あって。そもそもこういう表現をしたいんだけれども、できないよねっていうことが結構ありました」

制作ワークフローの劇的な改善

理想的な制作スタイルの実現

──倉島さんの普段の制作スタイルについて教えてください。

「日中にシーンの作成や調整を行って、夜間にレンダリングを実行するパターンです。寝る前に溜めて一気に回すという暮らしをしています」

この制作スタイルについて、詳しく聞いてみました。

──具体的なレンダリング時間はどれくらいになるのでしょうか?

「一フレームあたりで言うと、短くて30秒、長くて5、6分みたいな感じですね。30秒ぐらいですと、一カット10秒が最大ぐらいのところあるので300フレーム。9000秒で3時間とかそういう感じになります」

3時間程度で完了するなら、朝には必ず作業が完了している計算になります。これがRTX 5090による理想的なワークフローの実現です。

──集中力を維持するコツはありますか?

「案件を切り替えすぎないことです。調子が出ている間は一つの案件に集中して、区切りがついたら次に移ります。切り替えすぎると集中が分散してしまうので」

フリーランス特有の課題についても聞いてみました。

「連絡対応が多い日は制作がなかなか進まないですね。制作日と連絡対応のバランスが重要だと感じています」

新技術の積極的な活用

──新しい技術の活用についてはいかがですか?

「AIについては、最終的なアウトプットをAIに任せるのではなく、制作工程の効率化に活用しています。特にスクリプト作成では大幅に作業が改善されました」

──具体的にはどのような効果がありましたか?

「CGや映像制作では反復的な動作が多いので、そういう処理をスクリプトとして自動化してもらうと、だいぶ効率化できます。ここ数年で本当に増えていて、ちょっとしたプラグインとかスクリプトとか、そういうものを全然軽く作れちゃうようになったので」

──リアルタイムレンダリングについてはどのようにお考えですか?

「現在はプリレンダーの方が品質が良い案件が多いので使用していませんが、技術的には期待しています。レンダリングコストがないので、トライアンドエラーが無限にできるのが魅力です。リアルタイムレンダリングもVRAM量がかなり影響するので、活用する機会があったらRTX 5090も効果的だと思います」

クリエイティブへのアプローチ

制作における哲学とこだわり

──映像制作で大切にされている考え方やこだわりはありますか?

「ちょっと珍しいことをどうにか取り入れようとしつつ、とがりすぎず、王道的な方面でやっていく。エンタメの中で新しいことをしたいっていう感じです」

王道の中に新しさを見つけるという、バランス感覚に優れたアプローチが印象的です。

──作品のアイディアやインスピレーションはどこから得られますか?

「基本的にはMVメインでやってはいますので、同業の方のMVを見たりっていうのも多いです。あとは、好きなゲームとか好きなアニメとか映画のシーンとかちょこちょこまとめてたりとかします」

機材選びのアドバイス

──機材選択で悩んでいるクリエイターの方も多いと思いますが、アドバイスをお願いします。

「CGをやりたいなら、グラフィックスカード重視ですね。その他の用途であればCPUやメモリも重要になってきますが」

──特に注意すべき点はありますか?

「時間さえかければできるものも多いですが、VRAMの制約だけは気をつけた方がいいです。ここがボトルネックになると、どうにもならない場合があります」

──これから映像制作を始めたい方に向けて、何かアドバイスはありますか?

「まずは作ってみることが大切です。情報収集として、Xで同業の人をフォローするのもおすすめです。いろんなインスピレーションを受けられますし、みんながどんなことでつまずいているかも分かるので、良いアクションだと思います」

独立後の現状と今後の展望

今年4月にフリーランスとして独立した倉島さん。変化について聞いてみました。

──独立して変わったことはありますか?

「変わったところは、自分でその裁量を決められるようになったことですね。この案件にどれだけコミットするか、そういう部分を自分で決められるようになりました」

一方で、会社員時代の良さも実感しているそうです。

「会社ではマネジメントの部分を完全にやってもらえていたので、制作に集中できました。今は制作の時間が少し減ってしまった感じはあります」

10年後を見据えた明確な目標

将来のビジョンについても明確な考えを持っています。

──10年後はどのような目標をお持ちですか?

「やっぱり大きくはなりたいと思っています。35歳から45歳の年代の方々の作品を見ると、規模と経験の量の違いでディレクションの質が全然違ったりするので、そういうところを目指していきたいです」

現在は小規模での制作が中心ですが、より大規模なプロジェクトへの挑戦を見据えた成長志向が印象的です。

──ポジション的にはどのような方向性をお考えですか?

「ディレクターではありつつも、やっぱりその現場にいなきゃできないディレクションって絶対あるので。現場の人間ではありつつもディレクションもやるっていう半々の動きはしていきたいです」

現場を知るディレクターとして、実制作とマネジメントの両方に精通した専門家を目指す姿勢が伺えます。

倉島さんが手がけた映像作品の一例
倉島さんが手がけた映像作品の一例

製品情報:ZOTAC GAMING GeForce RTX 5090 SOLID OC

ZOTAC GAMING GeForce RTX 5090 SOLID OC
ZOTAC GAMING GeForce RTX 5090 SOLID OC

倉島さんの制作環境を支えるZOTAC GAMING GeForce RTX 5090 SOLID OCは、NVIDIA最新のBlackwellアーキテクチャを採用したフラッグシップモデルです。

ZOTAC GAMING GeForce RTX 5090 SOLID OC 主な仕様

GPU NVIDIA GeForce RTX 5090
アーキテクチャ Blackwell
CUDAコア 21,760基
メモリ 32GB GDDR7
ブーストクロック 2,422MHz(OC仕様)
冷却システム IceStorm 3.0 Advanced

CG映像制作者にとっての特長

  • 32GB GDDR7メモリ: 大容量VRAMにより、重いエフェクトや高解像度素材を制約なく処理可能。CG映像制作において表現の幅を大きく広げます。
  • 単体での高性能: レンダーファーム環境がなくても、1台で企業レベルの処理能力を実現。フリーランス環境に最適です。
  • リアルタイムレンダリング対応: 将来的なリアルタイムレンダリング活用時も、十分なVRAM容量でパフォーマンスを発揮します。
  • IceStorm 3.0 Advanced冷却システム: 34%大型化したベイパーチャンバーと新設計BladeLinkファンにより、長時間のレンダリング作業でも安定した動作を維持します。
  • 静音設計: FREEZEファンストップ機能により、軽負荷時はファンが停止し、静かな作業環境を実現します。
  • オーバークロック対応: ブーストクロック2,422MHzのOC仕様により、標準的なRTX 5090よりも高いパフォーマンスを発揮します。

詳細な製品情報については、ZOTAC公式製品ページをご確認ください。

まとめ

倉島伶さんの事例を通じて、フリーランス環境でのCG制作におけるGPU選択の重要性が明確に見えてきました。

会社員時代のレンダーファーム環境から、フリーランスでの単体GPU環境への移行。この変化において、RTX 5090は制作効率の向上と表現の可能性拡大を同時に実現しています。

特に印象的だったのは、「フリーランスでもリッチなCG表現が現実的になった」という言葉です。これは、技術的な制約が創作活動に与える影響と、それを解決することの価値を端的に表現しています。

32GB VRAMによる表現の自由度向上、理想的なワークフローの実現、そして将来への明確なビジョン。倉島さんの成長と共に、RTX 5090がその可能性を支えている様子が印象的でした。

フリーランスでCG制作を行っている方、レンダリング時間やVRAM制約に課題を感じている方にとって、非常に参考になる事例といえるでしょう。

取材日時:2025年7月


📞 取材協力

倉島伶 – CG映像クリエイター・映像ディレクター

2025年「映像作家100人」選出。フリーランスとして映像制作・CG制作を手がける

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